大山 祐之 (Hiroyuki Oyama) Mar 17, 2021 11:49:30 AM 4 min read

ファイナンスが知っておくべきデータビジュアライゼーションの効果

ビッグデータの台頭に伴い、大量の情報の解釈と理解を得るためにデータの視覚化がますます重要になっています。企業は通常、データを使用してより適切な情報に基づいた戦略的意思決定を行っており、データ視覚化スペシャリストはデータが最も効果的な方法で提示され、利害関係者がこれらの重要な意思決定を行えるようにするための鍵となります。

財務分析を理解する過程ではビジュアル要素は必要ないかもしれませんが、人間は視覚的な方法で提示された情報を理解して保持する可能性がはるかに高いという事実があります。オーディエンスに財務データをしっかりと理解してもらうためにできることは次のとおりです。

人間が持つ視覚情報の圧倒的な処理能力

経理財務に携わる会計人は数字に非常に慣れていて、クリエイティブ思考というよりは分析的な思考の人が多いかもしれませんが、財務データのプレゼンを受けるオーディエンスも同じであるとは限りません。オーディエンスの多くはプレゼンターと同じような思考タイプではなく、プレゼンターの分析を少し違う仕方で提示する必要があると感じることすらあるものです。人が自分のことをクリエイティブ思考と考えているか分析的思考と考えているかにかかわらず、ビジュアルを使用すると、ほとんどの人の脳が情報をより適切に処理するということが科学的に発見されています。例として以下の事実も分かっています。

  • 脳に送られる情報の90%はビジュアルである - MIT

  • 人間の脳はわずか13ミリ秒で画像を処理できる - MIT

  • 脳の50%が視覚処理に活発である - Piktochart

  • 人間の脳は、テキストよりも60,000倍速くビジュアルを処理する - University of Minnesota

  • コミュニケーションの93%は非言語によるものである - Ubiquity

  • 68%の人がテキスト情報を信じ、97%の人がグラフ情報を信じた - Cornell University
    Statistics

データビジュアライゼーション(視覚化)とは何か?

上記のような調査結果から明らかなように、ある場合には、「より少ない情報がより多くを伝える」という事があり、それは財務データの報告でも同じです。プレゼンターはオーディエンスが賢明な決定を下せるようにと、すべての関連情報を漏れなく伝えたいと思うものですが、それではオーディエンスを圧倒してしまい、集中力もそいでしまいます。その点、ビジュアルは詳細な情報をシンプルに伝えるのに役立ちます。

データの視覚化とは、チャート、グラフ、表、地図などの視覚的表現を使用して情報とデータを伝達することです。この視覚化により、情報を理解しやすくし、データグループのパターン、傾向、異常を特定しやすくなります。この分野の専門家は、情報のユーザーが効果的でデータに基づいた意思決定を行えるようにし、対象オーディエンスにとって有意義かつ関連性のある仕方で大量の複雑なデータを提示するスキルを備えています。

データ視覚化スペシャリストの役割

データ視覚化スペシャリストは、従来の財務および企業レポートと、近年使用されるテクノロジーの間の架け橋として機能します。スペシャリストは、レポートの作成とメンテナンスに関るだけでなく、ビジネスに必要なアドバイスとサポートの役割まで提供することになります。また、ビジネス全体で使用するダッシュボードとセルフサービス分析のためのシンプルで直感的なソリューションを開発する必要がある場合にも、活躍が期待されるポジションです。また、主要な役割としては他にも以下のものが挙げられます。

  • 適切なデータ視覚化技術と方法を通じて、大規模かつ複雑なデータがアクセス可能で、理解可能で、使用可能であることを保証し、重要なメッセージを伝達する
  • Webサイト、年次および四半期レポート、他の利害関係者へのレポートなど、外部で使用するための革新的で魅力的な静的およびインタラクティブなデータ視覚化を開発する
  • ビジネス要件に応じてデータを変換、拡張、統合する
  • ビジネス全体でデータ視覚化のスタンダードを確立する
  • データ分析セルフサービス機能の開発と管理
  • レポートの品質を向上させるための新しく革新的なツールの評価
  • すべてのデータの視覚化とレポートの問題の主要なコンタクト先として機能
  • データの視覚化と関連技術におけるスタッフの能力の強化

この役割に必要なスキル

データ視覚化のスペシャリストには、大量のデータを処理および解釈する能力を備えた優れた分析スキルが必要です。優れた数値的およびクリティカル思考が不可欠であり、個人として細部に高いレベルの注意を払う必要があります。スペシャリストは、必要な情報を効果的に伝えるために、強力なプレゼンテーションとコミュニケーションのスキルも有している必要があります。

プレゼンを聞く人が自分にとって最も関連性の高い分析を得られるように、情報をオーディエンスにあわせてパーソナライズしましょう。ビジュアルは、相手に適切なストーリーを伝えるためにオーディエンスに合わせてその都度調整することも必要です。社内の決裁者がビジネスの意思決定を行うときに理解しやすく、後から自分でも反復して使用できるストーリーを作成しつつビジュアルの効果を活用しましょう。


デジタル時代の企業活動を支えるファイナンス組織に求められるスキルとして、間違いなくこのデータビジュアライゼーションが挙げられます。フィンセサイズでは、経理財務従事者向けのデータビジュアライゼーションやファイナンスモデリングのトレーニングサービスを提供しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

大山 祐之 (Hiroyuki Oyama)

外資系企業のファイナンス部にて日本事業のスタートアップや企業買収後のPMI、ERP導入プロジェクトのリードなどに従事。海外SaaSの日本市場進出支援と日本企業の経理財務部のデジタルトランスフォーメーションを支援。

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